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Tuesday, December 05, 2006

[ ファイルNo.2 ] 「そこまでやる必要はない」って、言ったことないですか?

 私の知り合いのあるホテルウーマンは、とてもモチベーションと向上心が高く、ホスピタリティ精神があり、プロのホテルマンとしての自覚もあります。しかしながら、彼女が働くホテルはホスピタリティのあまりないホテル。「そこまでやる必要ない」とよく言われるそうです。こういうホテルだから彼女のホスピタリティ精神が生かせないし、押し殺して仕事をしているといいます。そして、自分を発揮できず、成長も感じられないのだったら、ホテル業界を去ってもいいとさえ考えている。

 あなたは、部下や後輩がお客さまを喜ばせようとしているときに、「そこまでやる必要ない」と、制したことはありませんか。

 この発言、人の喜ぶ顔が見たくてホテル業界に入った人にとっては、この上なくモチベーションを削がれる発言です。
 たしかに、短期的なビジネスを考慮したら、ビジネス的なリターンも見込めないこともあるし、ほかのゲストにも平等にやらないといけないといったリスクがあるので、「そこまでやらなくていい」と言いたくなることもあります。
 でも、ここで発生するかもしれないリスクの大きさと、この部下のモチベーション低下のリスクを考えたら、後者のほうが圧倒的に大きな損害になるのではないでしょうか。
 もし、この部下が喜ばせたいお客さまの件で現場に穴が開いてしまったりした場合は、どうすべきか。それでも、お客さまを一生懸命喜ばせたその行為をまず褒めるべきです。それに賛同すべきです。その上で、「でも、現場に穴を開けたことはよくなかったね」と後で諭してあげましょう。

 かく言う私も、ホテル出身の私のチームメイトに対して、「そこまでする必要ないよ」と、指示した経験があります。でも、そのセリフ、いまでは、禁句にしています。そして、私のチームの行動指針にこううたって徹底させています。

 「仕事とは世の中に価値を生み出す行為である。人生の目的は価値を世の中に提供することであって、仕事はその手段である。よって働く目的は利益創造だけではなく、世の中に価値を生むことである。対価としていただく金額の倍の価値を提供するくらいで、ちょうどいい」

 仕事をする意味は、ビジネス(お金儲け)だけが目的ではありません。
 お金儲けはそのなかのワン・オブ・ゼムです(本日取材した、リッツ・カールトン東京のドゥブランクGMも同じことをおっしゃっていました)。

 そう考えれば、部下にこういえるでしょう。

 「そこまでやって、よくやった!」

1 Comments:

  • maikoさん

    そのときの上司って、ホテル業界出身じゃないんじゃない? 銀行とか不動産とかの出身の人だと、「お金にならないことは一切やらない」っていう感覚の人が多く、現場のホテリエとぶつかることがよくありますよね。

    期待を上回る感動サービスが、ビジネス的にも成功するってことを、理解させたいですね。

    By Blogger 近藤寛和, at 4:30 PM  

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